暮らしの中のコーヒーは、料理と共にある。

暮らしの中のコーヒーは、料理と共にある。

Y2Tスタンド 店主 / バリスタ 小森篤

2018.07.31

こんにちは。ORIGAMI JOURNAL 編集部です。

第10回となるゲストは、東京は中目黒で「Y2Tスタンド」を営むバリスタの小森篤さんです。

店名にあるY2Tとは「YESTERDAY, TODAY, TOMORROW」の頭文字から。昨日も今日も明日も、集う人の好きなように使っていただけるように、という願いが込められたこのお店には、コーヒーだけではなく、アルコールも豊富に揃っています。

メニューを見れば、本格的なコース料理も楽しめることがわかります。そう、ここはコーヒーの専門店でありながら、お酒を楽しむバルでもあるのです。

どうしてバリスタの小森さんがこのお店をはじめたのか、淹れたてのコーヒーをORIGAMIカップで飲みながら、加藤が聞きました。どうぞお楽しみください。

 

Y2Tスタンド
店主 / バリスタ 小森篤
医療機器メーカーのシステムエンジニアから転身、ポルトガルワインの輸入業を営む友人と共に自由が丘にカフェ Navio※を開業。店主兼バリスタとして働く。2017年、2号店であるY2Tスタンドを中目黒駅から徒歩5分の住宅街にオープン。カフェでありレストランでありバルでもあり、それぞれのニーズに合わせて楽しめる店として地域の人からも愛されている。
※ 現在は広尾に移転し、店名が「Casa de Mar」に変わりました(2018年7月31日現在)

Facebookページ
https://www.facebook.com/y2tstand/

仲間それぞれの「やりたい」を詰め込んだ場所。

加藤
以前、(自由が丘の一号店)Navioにも伺って料理とポルトガルワインのマッチングの楽しさを教えて頂いたのですが、Y2Tスタンドはずいぶんとイメージの違ったお店ですね。

小森
どちらもコーヒーとワインのお店として始めたんですが、Navioはよりワインに特化したスタイルですね。Y2Tはどちらかと言えばコーヒーが強めに出ているお店だと思います。

加藤
小森さんはバリスタですよね? どうして一般的なカフェスタイルではなく、ワインと料理を出す二つのお店を始めたのでしょうか。

小森
もともとの始まりは、僕の中学の同級生なんです。彼がポルトガルワインに惚れ込み輸入業を営んでいたんですが、あるとき「輸入だけでなく飲食店で提供したい」と言い出して、一緒に店をやろうと誘ってくれたんです。

当時、僕は医療機器メーカーのシステムエンジニア。でも、学生の頃に大手コーヒーチェーンで働いたり、仕事をしながら地元のロースターでこっそり勉強していました。いつかコーヒー屋をやりたい、と漠然とした夢を抱いていたんです。

彼の誘いに「このタイミングだ!」と思いましたね。そして会社を辞めて立ち上げたのがNavioです。それから、もっとコーヒーを日常的に飲んでもらえるお店をつくりたくてY2Tが生まれました。

加藤
コーヒーとアルコール、コーヒーと食事。バリスタの方が悩まれる組み合わせも、Y2Tさんでは自然にやっておられるのが興味深いです。

小森
偶然にも全員同い年なんですが、銀座のリストランテ出身のシェフも一緒になりまして。ワイン好きと、コーヒー好きと、料理好き。その3人が集まって「自分たちのやりたいことをしよう」としたら、結果こういうお店になりました。

そんな成り立ちですから、コーヒーでも食事とのペアリングを意識しますし、コーヒーを使った料理も出しています。たとえば、コーヒーパウダーとスパイスをブレンドしてシーズニングにしたものを肉に塗り込んで焼き上げる「エスプレッソステーキ」は、スパイシーで美味しいと好評なんですよ。

コーヒーもワインも、日常に溶け込んだ楽しみに。

加藤
コーヒーにこだわるバリスタだと、コーヒー以外はお店に置きたくない方もいらっしゃいます。小森さんは、そういった思いはありませんでしたか?

小森
「Y2T」に、YESTERDAY, TODAY, TOMORROWの意味を込めたように、日々の暮らしに寄り添ったお店にしたいという思いがあります。生活って食事ありきだから、コーヒーもワインも料理があって、さらに活きるものではないでしょうか。

僕ひとりだったら分かりませんが、シェフがいると面白いですよ。この料理に合わせるコーヒーはもう少し酸味を強くとか、もっと甘みが欲しいとか、意見を出し合って一杯のコーヒーを作っています。

小森
Y2Tは、お客さまに好きに使ってもらいたいと思っているんです。仕事帰りに一杯ひっかけたり、深夜にコーヒーを飲んだり、たとえば記念日なんかにも使っていただきたいなと。

乾杯のスパークリングワインから始まり、お食事を楽しんでもらって、最後は自家製のコーヒーを使ったティラミスとエスプレッソで締めていただく。そんな夜も楽しんでいただけます。

3人がそれぞれの得意分野を発揮できるから、いろんな楽しみ方を提案できるんじゃないかと思っています。

加藤
ああ、それは素敵ですね。近所にそんな店があれば常連になってしまいそうです(笑)。

店のトレードマークとして、愛着が育まれるカップ。

加藤
お店のコンセプトが面白くて、うっかりORIGAMIのインタビューだということを忘れてしまいそうですが(笑)……どんなきっかけでORIGAMIを知っていただいたのですか?

小森
Navioをオープンしようという時に、偶然WEBで見つけました。

僕はもともと「モノ」にこだわるタチでして。調べて見ると対流構造にこだわって作られている点にも興味が湧きました。実際に使ってみるとラテアートもしやすく、お客様の評判がとても良かったですね。

2号店のY2Tでは、今度は名入れもしよう! ということでこんな感じにしてもらったら、今ではお店のトレードマークのような存在になりました。率直に言って、いいカップだと思っています。

加藤
雑誌の取材でも、カップの写真を大きく取り上げていただいたようで、ありがとうございます。

これからのお話をお聞きしたいのですが、今後はどんなことに挑戦していかれますか?

小森
今の僕たちはまだ走り出したばかりで「面白そうなことはとにかくやってみよう」という気持ちでいます。

コーヒーやワインのケータリングをしてみたり、沖縄のフェスに料理を出したり、あるときは地域のビジネス交流会におにぎりと緑茶を持って行ったこともありました(笑)。

「暮らしに溶け込んだお店」というコンセプトを大切に、お客さまがそれぞれのライフスタイルに合わせて、様々なシーンで立ち寄れるお店でありたいですね。3人で全力で楽しみながら、一つひとつのご要望にお応えしていきたい、といったところでしょうか。

あとバリスタとしては、コーヒーのソースや、コーヒーだけで作り上げたコースの提供などをしてみたいですね。

加藤
3人でエネルギッシュにやられているのが、すごくいいですね。

私たちもORIGAMIとは別ブランドの器で、料理とコラボレーションしたイベントをやってみたいなと考えていたところです。コーヒーというコンセプトで企画できたら面白いですね。今度ぜひ、ご相談させてください。

小森
僕もORIGAMIさんのプロダクトで、ワイングラスのような形のマグカップも気になっていました。色々お話させてください。

加藤
ぜひ! 本日はありがとうございました。

いかがだったでしょうか。

ワイン、食事、コーヒー、という3つの柱を立てたY2Tさんは大変に魅力的なお店で、そこにORIGAMI カップが置かれていることが誇らしく感じました。いろんな楽しみ方ができるお店が近所にあったら、きっと通っちゃうと思います。


それでは次回もお楽しみに!

今回取材させていただいたY2Tスタンドさんは、中目黒駅と祐天寺駅のちょうど間ぐらいに位置します。目黒銀座商店街でショッピングを楽しんだら、ぜひお立ち寄りください。

Facebookページ
https://www.facebook.com/y2tstand/

 

加藤信吾

Kato Shingo

with Barista ! 編集長 ライター / コピーライター
ORIGAMIのブランド設計に外部パートナーとして携わるなかで、様々なバリスタと出会い、各地のスペシャルティコーヒーに感動し、気がつけば一日2杯のコーヒーが欠かせない日々を送る。
twitter:@katoshingo_

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