
人と人をつなぐ、コーヒーで横浜を盛り上げる。YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL 実行委員会・代表百崎さんの想い。
YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL 実行委員会・代表の百崎
2023.02.09
風に運ばれコーヒーの匂いが漂う、ある日の横浜公園。
片手にコーヒーカップを持ち、音楽に身を任せる人。コーヒーの飲み比べを楽しむ人。
賑やかな笑い声がこだまし、会場はやわらかな空気に包み込まれています。

2022年10月23日(日)、各店舗の情熱や個性が溢れる、横浜のコーヒーカルチャーを醸成するコーヒーイベント『YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL』が3年振りに開催されました。
「コーヒーに慣れ親しんだことのない人でも、気軽に楽しめるフェスティバルにしたいんです」
そう語るのは、YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL 実行委員会・代表の百崎さん。バリスタとして働きながら、「地元横浜にコーヒーカルチャーを浸透させたい。人と人の架け橋になるようなイベントをつくりたい」そんな想いで第一回目から立ち上げ・運営を行ってきました。
日本の玄関口、“横浜”。ここで百崎さんはどんなコーヒーの物語を紡いできたのでしょう。やわらかな口調で、コーヒーへの想い、そしてYOKOHAMA COFFEE FESTIVAL開催の背景について熱く語っていただきました。

コーヒー店の丁寧な接客に魅了され、バリスタの道へ
───まず最初に、コーヒーを仕事にしようと思ったきっかけについて伺いたいです。
百崎さん:学生のときからコーヒーが好きで、いろいろなカフェを巡っていました。仕事として憧れたのは、ホスピタリティ溢れるバリスタさんの接客を目の当たりにしたことがきっかけです。
お客さんに合わせて「今日は仕事ですか?」「行ってらっしゃい」と声をかけたり。ただ注文されたコーヒーを出すだけでなく、「こういうフレーバーで、こんな製法で作っているんですよ」と、ひと言添えたり。カフェに来たお客さんが少しでもコーヒーを楽しめるよう、さりげない工夫をする姿が素敵だなと感じました。
───「人(接客)」の部分にコーヒーの魅力を感じたのですね。
百崎さん:そうなんです。そういうちょっとした会話から人とのつながりが生まれるのってコーヒーならではの魅力だなと。
例えばレストランだと、どうしてもキッチンとホールでスタッフの役割が別れてしまいますよね。でもカフェに立つバリスタは、コーヒーをつくりながらでもお客さんと会話ができます。

カフェは人々の日常において、すごく身近な存在です。1日のはじまりの朝。仕事中、束の間の休憩時間。家路への途中。どんなときも私たちのすぐそばにある場所だからこそ、よりコーヒーを楽しんでもらえる接客がしたい。そんな想いでバリスタを志すようになりました。
念願叶ってバリスタになった今では、常連のお客さんから「百崎さんに会いたくて来てるんだよ!」と声をかけてもらえたりして、とても嬉しいですね。
人と人をつなげたい。YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL開催のきっかけ。
───そういった接客やお客さまとのコミュニケーションを大事したい、という価値観はYOKOHAMA COFFEE FESTIVAL開催の背景にもつながっているのでしょうか?
百崎さん:まさにそうですね。YOKOHAMA COFFEE FESTIVALのコンセプトとして、「人と人の架け橋になるようなイベントをつくりたい」という想いがあります。
お客さんは必ずしもコーヒーが目的でなくても、いいと思うんです。「たまたま散歩をしていたら通りかかって」「音楽が流れてきたから気になって」そんな何気ないきっかけでフェスティバルに立ち寄り、ふだんは飲まないようなコーヒーに触れ、自分に合う一杯を見つけてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
コーヒー好きはもちろん、まだ親しみがない人にもコーヒを楽しんでもらいたい。そんな想いが原点となり、“フェスティバル”という形を思いつきました。

───YOKOHAMA COFFEE FESTIVALでは飲み比べができると伺いました。コーヒーとの一期一会の出会いも生まれそうですね!
百崎さん:そうなんです。ふらっと立ち寄ったお客さんが、YOKOHAMA COFFEE FESTIVALがきっかけでコーヒを好きになり、気に入った出店者さんのお店に後日来店したというエピソードも聞いて。まさに、コーヒーが人と人をつないだ瞬間だなぁと嬉しくなりますね。
コーヒーで地域おこしを。地元・横浜を盛り上げたい

───百崎さんは、横浜のご出身でもあると伺いました。地元への想いもフェスティバルには込められているのでしょうか?
百崎さん:まさにもう一つのコンセプトとして、「横浜にコーヒーカルチャーを浸透させたい」という想いを掲げています。というのも横浜は紅茶文化は盛んですが、コーヒーはまだまだ根付いていないように感じていて。「もっと横浜の人に美味しいコーヒーを体験してもらいたい。横浜のカフェに立ち寄ってもらいたい」そんな気持ちもフェスティバルを運営する原動力になっていますね。

───オーストラリアではメルボルンがカフェの街として世界的に有名ですが、そうやって地域全体でコーヒー文化が醸成されていくのはいいですよね。
百崎さん:本当にそう思います。毎年試行錯誤しながら、一歩一歩理想に向かって歩んでいる最中ですね。特に第一回目は学生だったので、苦労の連続でした。自分たちでプレスリリースを書いてメディアへ情報発信をしたり、集客をしたり、出店者さんを集めたり…。当日の天気も台風の影響を受けそうな予報だったので気が気じゃなかったです(笑)
でもいざ蓋を開けてみると、大盛況で。出店いただいたコーヒー屋さんから「出店してよかったよ!」と感謝の言葉や応援の声をもらえたり、コーヒーや会話を楽しむお客さんの様子が見れたりして嬉しかったです。本当にやってよかったなぁと心から思いましたね。


───きっと素敵な光景が広がっていたんだろうなと想像します。最後に、そんな百崎さんの今後の目標や挑戦を教えてください。
百崎さん:ゆくゆくは自分のお店を持ちたいです。地元をコーヒーで盛り上げたいという気持ちから、横浜での開業を目指しています。僕の住む街で1人でも多くコーヒー好きな人が増えたら嬉しいですし、1店舗でも多くコーヒー屋さんを増やしたい。そういう意味でもYOKOHAMA COFFEE FESTIVALを継続して開催することは、自分の夢に近づく一歩でもあると思うんです。人と人をつなぐ、そして地元横浜にコーヒー文化を浸透させる。そんなバリスタとしての目標を追って、これからも走り続けます。
聞き手:金中 望
場所:横浜公園
カメラマン:間澤 智大

貝津美里
Kaitsu MIsato
PICK UP
People /
2021.11.06
より多くの人に、素晴らしいコーヒーとの出会いを【Cup of Excellence Alliance For Coffee Excellence】
マネージングディレクター、Marketing and Membership Anna Abatzoglou様
PICK UP
変化を重ねて、生きていく。MILKBREW COFFEEを考案した酪農家の話【自由なコーヒー。vol.12】
ーーナカシマファーム 中島大貴
より多くの人に、素晴らしいコーヒーとの出会いを【Cup of Excellence Alliance For Coffee Excellence】
マネージングディレクター、Marketing and Membership Anna Abatzoglou様
世界のバリスタが唸る豆「ゲイシャ」で知られるナインティ・プラス社。そのこだわりの秘密と、希少コーヒーの新しい愉しみ方[後編]
ナインティプラス Joseph Brodsky
RANKING
2019.05.09
日本人としての誇りを胸に、死にもの狂いで、メルボルンでバリスタになった。【自由なコーヒー。vol.3】
Market Lane Coffee Head Roaster / Quality Control 石渡 俊行
11268 View